■ はじめに
卓球を続けていくと、誰もが一度は気になるバタフライのテナジー05。
プロも愛用する定番中の定番で、「結局ここに戻る」という声もよく聞きます。
でも正直、中級者が使うにはちょっと早いんじゃないか?と思う人も多いはずです。
そこで今回は、卓球歴10年以上と歴だけは長い用具マニアがフォア面にテナジー05(特厚)を貼って実際に使い込んでみた感想をまとめてみました。
今回は中級者が使用することを想定しています。
■ 回転性能:とにかく“引っかかる”
最初の印象は「回転が掛かりすぎて笑う」でした。
ツッツキでもドライブでも、軽く擦るだけでボールがグッと食いつく感覚があり、今までより一段階上のスピン量が出ます。
特に下回転打ちの時が分かりやすく、普段ネットに引っかかっていたボールがスッと持ち上がる。
ラバーが勝手に手伝ってくれる感じです。
ただ、柔らかい打ち方だと球が浅くなったり、思ったほど回転が乗らなかったりもします。
スイングスピードがある程度ないと、本来の良さを引き出せないですね。
また、勝手に回転がかかる分ボールが揃いやすいのも注意点です。
■ スピード・弾み:芯を食った時の快感がすごい
しっかりとボールを捉えた時の“伸び”は、本当に気持ちいいです。
打った瞬間「これは入る」と分かるほど、弾道が安定していて、相手コートで沈みながら伸びていく感じ。
ただ、軽く合わせただけのブロックなどでは、思ったよりスピードが出ません。
インパクトが弱いとラバーが働かない。逆に、強く振れた時はとんでもない威力になります。
つまり、「自分でしっかり振れるタイプの中級者」向け。
つなぎ主体の人には少し暴れる印象があると思います。
もしつなぐとしても、少しでもループドライブにするなど自分のボールにするということが必要です。
■ コントロール:慣れるまでは難しい。でも慣れたら最高
最初の1週間くらいは正直「飛びすぎる…」と思いました。
特にブロックやストップでボールが浮くことが多く、角度調整がシビアです。
現在のラバーの中ではやや柔らかめに分類される分、勝手に弾んでしまうことがあります。
でも、1〜2週間使い込むと打球感の“芯”が掴めてきて、コントロールが一気に安定します。
弾道が安定するので、慣れた後はむしろ狙いやすいです。
慣れが必要なラバーですが、そのぶん使いこなした時の達成感は大きいです。
■ サーブ・レシーブ:上達を実感できるポイント
サーブの回転量は文句なし。
同じフォームでも下回転のキレがワンランク上がるので、相手のレシーブが明らかに浮きます。
「サーブだけで得点できる回数が増えた」と感じました。
食い込ませても擦っても切れるので、出しにくいサーブはありません。
一方、レシーブは弾みが強い分、最初はストップが難しいです。
ラバーの特性を分かってくると、少しラケットを被せるだけで低く止められるようになるんですが、慣れないうちはオーバー気味になります。
切れ味は申し分ないので、慣れるまでは多少浮いてもいいから切るぐらいの意識のほうが良さそうです。
■ 中級者が感じたリアルなメリット・デメリット
回転:どんな球でもスピンが乗るが弱い打球では性能が出にくい
弾み:強打の伸びがエグいけど軽打だと飛距離が合わない
コントロール:慣れると狙いやすいが慣れるまでは暴れる
台上 :サーブ・フリックがやりやすいがストップが浮きやすい
総評:“使いこなしたくなる”魅力はあるものの初期の扱いに少し根気が必要
■ どんな選手におすすめか
テナジー05は、「自分のスイングで勝負するタイプの中級者」に合うラバーです。
とくに、
フォアドライブが得意
回転量で押していきたい
スイングスピードには自信がある
というプレイヤーなら間違いなくハマります。
一方で、安定感や守備を重視する人は、最初は少し難しいかも。ミート系の打法もやや癖があるので、ドライブ主体の人向きです。
もし扱いやすさを求めるなら、「ラクザ7」や「ファスタークG-1」あたりの方が無難です。
■ まとめ:中級者が“次の段階”へ進むための一枚
テナジー05は、決して“誰でも扱える万能ラバー”ではありません。
でも、振る力と技術がある程度身についた中級者にとっては、自分の成長を実感できる刺激的なラバーです。
最初は飛びすぎたり回転に負けたりと苦労しますが、慣れた頃には「もう他のラバーじゃ物足りない」と感じるほどの魅力があります。
高いけど、それに見合う価値がある。
“中級者が上級者に近づくための通過点”として、テナジー05はやっぱり特別な存在だと思います。
テナジー05を使ったことがなく、ボールの威力が足りず困っている人は是非一度試してみてください。
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